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現実ブログに書かれていることは既に起きたことである
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 一時限目と二時限目の休み時間、私は未来ブログがみんな知っているのかどうか情報を集めていた。しかし、積極的に集めようとすれば、私が書いたのだと悟られるために、未来ブログに興味を持って、情報収集している相手と話すしかなかった。

 となると、相手は未来ブログを知っていたクボスケぐらいとなり、私は再び、クボスケと未来ブログについて、離すことにした。
「クボ、未来ブログについてのみんなどう思っているの?」
「うーん、僕が知る限りだと、キミを入れて、四、五人ぐらいかな?」
「誰?」
「僕、キミ、ニッシー……、クリバヤも」
「栗林君も!」
 まずいことになった。よりにもよって、栗林君も知ったなんて。
「それで、栗林君はどう言っていたの?」
「クリバヤはくだらないと一蹴していたけど」
「そう」
 栗林君が未来ブログについてマイナスのイメージを持てくれなくてよかった。
「そうそう、あと一人思い出したよ」
「誰?」
「中原さん」
「中原さんって……」
「うん、キョウコさんだ」
「あ、ちゃ……」
 参った、キョウコにまでチェーンメールが届いたなんて最悪だ。メール受信拒否機能を強めに設定してくれたと、心の奥で願っていたけど、残念ながらそれは叶えなかった。
「怒っていたね、彼女からイジメブログだ、て言ってた、未来ブログについてはあまり快く思っていなかった」
 いじめブログだと指摘したのはキョウコの方らしい、キョウコの性格から考えて、これはやっかいなことになった。
「なんか言ってた?」
「うーん、これはホームルームや職員室で取り上げようかとか言っていたね。
「でもするの? キョウコって、カコと敵視しているんだし」
「いや、基本的にあの二人、仲が悪そうで仲がいいから。ただ、中原さんは要領のいいカコさんに嫉妬しているんだ」
「なに、その説明?」
「説明っていうか、見ていたらわかるって。ミキさんは気づかない?」
「カコはキョウコのことについて、全然言わないからね。友達という程度で、それ以上深く踏み込まないね」
「そうか、ま、仕方ないさ。この年になれば、色々あるんだからね」
 会話の間があいた。私はそれ以上追及することもできず、クボスケも二人の関係に話をすることはなかった。事実上、沈黙がこの話をばっさりと切り捨てたのであった。

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 一時限目の授業中、私は未来ブログをどうするか考える前に、あることについて疑問があった。……チェーンメールのことだ。

 チェーンメールとは一つのケータイから複数のケータイへと同じ文面のメールを送る一斉発信メールのことだ。同じメールを多くの友達に送るときに使う機能だ。
 送信者はこのチェーンメールを使って、クラス全員、もしくはある一定のクラスメイトにメールを送ったに違いない。
 それと、私のケータイのメールボックスにも届いていたので、このチェーンメールは全員に送った可能性が高い。このメールを確認しなかったのは、カコの今、ヒマとかいうメールや、未来ブログからコメントが来ましたといった、どうでもいいメールが来たため、しばらくケータイメールを見るのをやめていたからだ。せっかくの旅行を邪魔されたくなかったので、しばらくマナーモードのまま、無視していた。

 それとなぜ送信者は捨てアド、別に捨てても構わないフリーメールアドレスからメールを送らないといけなかった。
 別にこのメールは普通のメールでもよかったはずだが、送信者はそれができなかった。捨てアドじゃなきゃいけなかった理由を考えれば、送信者は簡単に割り出せる。……そう、捨てアドじゃなきゃ送れないのが、送信者というわけだ。

 これで、チェーンメールの送信者は誰なのか、大体の予想がついた。私はそのチェーンメールを送った送信者にメールを送った。


 送信者:ミキ 2008/05/07 08:53
 題名:カコ 、あなたでしょう?
 チェーンメールでクラス中に未来ブログを教えたのはあなた?
 
 後ろの席に座っているカコの方へと視線を向ける。すると、カコはにやりと笑った。どうやら私の送ったメールがカコのケータイに届いたみたいで、中身を確認したようだ。この喜びようから、送信者はやはりカコだったようだ。


 送信者:カコ 2008/05/07 08:57
 題名:この前メールで言おうとしたのに。
 で、なんで、ミキがチェーンメールのことをたずねるのはどうしてなの?
 送信者:ミキ 2008/05/07 08:59
 題名:クボから聞いたから。
 それで、全員に送ったの? 
 送信者:カコ 2008/05/07 09:03
 題名:うん。
 だって、あたしが休んだことをみんなに教えないと未来ブログの意味ないでしょう? 未来ブログはみんなが知ってからこそ意味があるんだから、アルミさんのブログにもそう書いていた。 

 どうやら、カコは、未来ブログに休むと書かれていたから休んだと言いたかったがために、チェーンメールでクラスのみんなに教えたわけであった。


 送信者:カコ 2008/05/07 09:06
 題名:追伸
 私が休んだ後、みんながその理由を知らなかったら意味ないことに気づいて、急いでチェーンメールで送ったの。そうしないと私のずる休みしたと思われるから
 送信者:ミキ 2008/05/07 09:08
 題名:ずる休みしてるって……
 それで、捨てアドで送ったのは?
 送信者:カコ 2008/05/07 09:10
 題名:誰かわからなくするため
 私が宣伝したというとなんかダメじゃない? 誰かが未来ブログを見つけて、それをみんなに教えたという筋書きで送ったわけ。

 予想通り、捨てアドを使う必要があったのは、自分がやったのではないと主張するためだった。

 自分が未来ブログを書いているという宣伝メールを送信したら、未来ブログを書いたのは自分だと疑われる。そのため、自作自演というのを見破られないために、匿名性のある捨てアドで送る必要があった。

 正確に言えば、自作自演ではないのだが、間接的には自演である。カコが未来ブログを書かないと持ちかけられ、私がそのとおりにしたのだから、これは自演である。カコはその自演ではないことを主張するために、匿名のチェーンメールでクラスメイトに送る必要があったのだ。


 送信者:カコ 2008/05/07 09:14
 題名:そろそろやめるね
 授業に集中したいから、メール止めよう。

 メールを止めようという内容のメールを読むと、私はカコの方に向けて、軽く手を振った。すると、カコも私に向かって、手を振ってくれた。

 

 ここであることを思った。……なぜ、クボスケはカコよりも私の方を先に聞いたのか? まさか未来ブログの管理人が私だと疑っているのか。
 そんな疑問が浮かんだ私はそのことについて、尋ねてみた。
「ところで、どうして私に聞いたの? カコの方に聞けばいいのに」 
「ああ、それは。カコと一番仲がいいのはキミだから、ただそれだけ。ボクは本人に聞く前にそれについて相談しようと思って」
 なるほど、私を疑っているのではなく、カコのことを心配し、親友である私の意見を聞いてから、どう話そうかと思ったわけか。私を疑っていたのではないと、少し安心した。
「大丈夫、カコはそれに反応するコじゃない。それに、未来ブログって言っても、先にブログを見たヒトはいないでしょう? 冗談じゃないかな?」
「うん、その可能性は高い。でも……」
「でも?」
「きっちりと5月2日8時40分00秒と投稿時刻がきっちりとしている。これは作為的な感じがしている」
「作為的って言うと?」
「カコさんをネット上でいじめるために、後から書いた過去ブログなのかもしれない」
「カコが書いているのに、カコブログ?」
「そっちじゃない。過去に起きたことを書く普通のブログのことだよ」
 地でボケた私、かなり恥ずかしかった。照れて頬が緩んだ顔を口元に隠しながら、過去ブログのいじめについて追及した。
「それでいじめるってどういうこと?」
「この前、カコさん休んだろう? 勝手に休んだことをいいと思わない誰かが、ネット上にブログとして書いたんだ。――これはもう立派なプライバシーの侵害だ、許せない行為だ」
 クボスケの言いたいことがわかった。私が未来ブログとして書いたことが、他のヒトから見れば普通のブログであって、現実で起きた後のことがその未来ブログに、書かれているわけだ。

 言い換えれば、誰も5月2日8時40分00秒以前のブログを見ていないから、このブログは未来に書いていない、普通のブログだったわけだ。
 運が悪いことに、クボスケは、これはいじめブログの可能性を示唆した。書かなくてもいいことをブログに書いたのだから、いじめだと指摘した。

 そんなことまで考えていなかった私はこれはマズイと思った。なんとか、これが未来ブログであることを説明しないといけなかった。
「でも、クボ。もしそれがホントに未来ブログならどうする?」
「それはないって、仮に、5月2日8時40分00秒以前にこの未来ブログが書いていたとして、それ以前に、未来ブログを見たヒトはいない。僕がこのブログを知ったのは三日前、真夜中に送られたチェーンメールで知ったのだから」
「チェーンメール?」
 思いがけない単語が出て、思わず聞き返す。
「うん、ニッシーにも確かめたから、チェーンメールのはずだ。カコ大丈夫か? と言っていたしな」
「それで誰? 送ったのは?」
「送信者はフリーメールのアドレス。捨てアドで送られたものだと思う。ミキさんは送られなかったの?」
「ええ、……そういうメールは拒否ってるから」
「そう、言わない方がよかったかな」
「いいって、それよりも、カコが休んだからいじわるしようとして、この未来ブログができたということなの?」
「僕はそう考える。フリーメールで送られたのも納得できる」
「もし、投稿時刻以前に、カコが休む前に、未来ブログが更新されていたら?」
「それだとホントに未来ブログだ」
「じゃあ……」
「もうそろそろ予鈴だ、席につこうか」
 気づけば、八時四十分前、もうすぐ予鈴が鳴るその瞬間だった。
 ――キーンコーンカーン
「鳴ったね。この話はカコさんには内緒でね」
「うん」
 クボスケは自分の席へと帰り、クラスメイト達も自分の席へと戻っていった。
 その間、私は未来ブログがホントに未来ブログだということを証明しないといけない一方、カコにあることを確かめないといけないと思った。

「未来ブログって知っているか?」
 私はドギマギしていた。それもそのはず、未来ブログなど知っている者は私とカコだけ、それ以外は知るはずがない。
 ――彼はどうやって、知ったの?
 検索エンジンの中に、カコの名前を入れたの? でもカコの名前を入れる物好きなんているの?
 色々のことが頭に浮かび、パニックしている。
「うん、どうした?」
 クボスケは私が動揺していることに気づいた。
 ……まずい。
 私はクボスケに動揺を悟られないように、適当に話を合わせようと思った。
「未来ブログって?」
「未来ブログで書かれたことは必ず起こる、それがその未来ブログのルール。管理人は玲子っていうんだけど」
 間違いない、それは私のブログだ。
「へえ、玲子ってうちのクラスにはいないよね」、
「ああ、そうだ。うちの学校にレイコと名がつく女子はボクが知るかぎりいない」
「だったら他の学校の子じゃないの?」
「いや、それはない、第一、このブログの中に、下地香呼、カコさんの名前が書いていたんだ」
「なるほど、それは間違いないわね」
 他人事のように装う私、この場から逃げ出したかった。


 夜遅くまで渋滞に巻き込まれて、家に帰ったのが五月七日の未明だった。車の中はよく眠れなくて、車酔いもあって、とにかく気分が悪かった。

 朝、フトンを見たら、すぐ横になれるコンディションで、登校していた。頭がふわふわしている中、二年二組の教室へと入ると、オトコのコの声がした。
「ミキ」
 私に声をかけてきたのはクラスメイトのクボスケだった。
 クボスケは友達というよりもいいクラスメイトで、男子の中では比較的話しやすい。でも、コレといって、特徴がなく、顔も忘れられやすい。私も度々クボスケという名前しか覚えていなくて、クボスケの顔や声なんかは記憶の外だ。
「なぁにぃー、クーボー。私ちょい眠い」
 ゴールデンウィーク明けで頭がボーとしていた私はそんな返事をし、クボスケとの会話を拒否した。
「ちょっとおきてくれないか?」
「いや」
「聞き流してくれてもいいから」
「はいはい、わかった」
 本当はクボスケの話は聞き流していた。頭が働かない脳で話も何もできない。じわーと脳に広がる微熱が、とても気持ちよかった。
 でも、そんな微熱を取り払う言葉が、彼の口から放たれた。
「未来ブログ」
 その言葉を聴いた瞬間、私の脳は起きあがった。二人しか知らないはずの未来ブログがこのクラスで広がったことに驚いたのだ。

 未来ブログが開設してから三日が過ぎた。私はゴールデンウィークの間、家族と一緒に、国内旅行に博多に行っていた。久しぶりの家族旅行だったので、色々と楽しんでいた。

 深夜、ホテルの寝室でベッドの横になっていると着信音が鳴り響いた。誰かのメールが届いたようだ。
 私はカコだと思い、そのメールを確認すると、あなたのブログにコメントがありました! という内容のメールだった。ま、こういうこともあるんだと思いながら横になっていると、また、着信音が鳴り、同じメールが届いた。
 ……せっかくの安眠が、メールで邪魔された。
 楽しい旅行が一気に冷めた。私はケータイから未来ブログの管理ルームにアクセスし、メール送信をやめるように、変更した。

 同時に私のケータイに届いたメールも削除した。
 ――これで眠れる。
 私はふぅーと一息ついて、横になる。明日は何処を見に行こうかなと思いながら、眠るのであった。

 五時限目、私のケータイにメールがやってきた。メールの送信者はカコからだった。

 送信者:カコ 2008/05/02 14:03
 題名:無題
 今、ヒマ?


 ……今日一日、カコからのメールを無視してやった。

 五月二日、未来ブログに書いたとおり、カコは休んだ。カコの休み癖はけっこうあるけど、二年生に入って始めてだった。

 二時限目の授業で、担任のイワモトが「下地が休んだの、誰か知っているか?」って尋ねてきた。どうやら、カコは前もって電話していなかったようだ。
 そのため、二時限、三時限にある休み時間中、「なんでカコ休んだろうか」と、クラスでちょっとした騒ぎになった。

 そんな中、私が次のクラスの準備をしているとき、オンナのコの声がした。
「ミキさん」
 どうやらクラス委員長のキョウコが私に話しかけてきたみたいだ。
「カコさんについて、何か知っていますか?」
 相変わらずの威圧的な態度、どうもこのヒトの前だと、私も敬語じゃないといけないような気がする。
「いえ、知りません」
「じゃあ、ちょっと質問なんですが、友人のあなたから見て、なんでカコさん休んでいるでんしょうか?」
「さあ、風邪じゃないの」
「風邪? 五月病じゃないの? 春休みが恋しくなって、ただ休んでいるじゃないの」
 ……なかなかするどい。さすが、カコとは小学校からのつきあいのあるキョウコだ。
「それにしても、ミキさん。あなたみたいなマジメな方がどうしてカコさんと仲がいいのかしら」
「マジメかどうかはわからないけど、カコとは高校に入ってすぐ気があったから」
「カコさんの行動には問題なところ多くないかしら」
 いちいち愚痴のようなことをこぼすキョウコ、自分ではそれが余計なことだと知らずに、次々と言うのだからたまったものじゃない。……お口にチャックをつけてあげたいくらいだ。
「問題なとこ、あるけどさ、友達だからそれぐらい、わかってあげなきゃ」
「まるでミキさんがカコさんの保護者になったような言い草ね」
「別にいいでしょう」
「第一、カコさん。高校生にもなって、破天荒な行動が多すぎる。文化祭でメイドカフェやろうとか、青空ライブやろうとか、とっぴな考えばかり出してくるんですから」
 いちいち、上品な言い方で裏ではいやらしいことを口にする。しかも、言ってくるほとんどのことは、カコに関することだ。

 キョウコはカコをライバル視しているところがある。カコはそう思っていないけど、なぜかキョウコはいちいちカコにつっかかってくるところがある。やっぱり付き合いが長いとお互いのことわかっているのかな。

 とはいえ、私はカコの友達だ。カコのことを悪くいえないから、適当に受け流す。
「それが彼女のいいところじゃないんですか?」
「いいところ? 自分の本能で生きているんじゃない? ねえ?」
 こうやってキョウコはヒトのいやな所を掘りだして、ヒトにそれを投げつけて確認させてくる。……自分はそうじゃない、相手がそうだから、自分もそうだといわんばかりの質問だ。

 もし、私がハイと言えば、自分はイイエと言って逃げる。そして、ハイと言わせたらヤツを犯罪者にしたてあげるのが得意なタイプ、そんな人間だ。

 自分が主語でハイかイイエかで話すとしたら、絶対どちらも選べない、そういうずるがしこい女がキョウコなのだ。

 だから私は「それが彼女の個性」と適当にあしらった。それ以上、会話の進展がないと思ったのか、「そう」と言って、この場から立ち去った。
 お風呂から上がった私はケータイのメールを確かめる。カコからのメールがあった。


 送信者:カコ 2008/05/01 22:08
 題名:無題
 ちゃんと未来ブログ書いた?


 カコが送信したメールは未来ブログを書いたのか確かめるためのものだった。

 なんで、そこまで必死になるのか、わからないけれど、私は未来ブログを書いたよ、という返信メールを送った。
 
 送信者:ミキ 2008/05/01 22:45
 題名:Re2:無題
 書いた書いた

 送信者:カコ 2008/05/01 22:46
 題名:Re3:無題
 じゃあ、アドレス教えてよ。

 送信者:ミキ 2008/05/01 22:50
 題名:Re4:無題
 未来ブログはこっちね↓
 http://ngkizg.blog.shinobi.jp/
 ケータイからでも見れるけど、PCの方がいいよ。

 送信者:カコ 2008/05/01 22:57
 題名:Re5:無題
 確認したよ。それにしても玲子って、レイコーを略したのって、わかるけど、もっとマシなのなかったの?

 送信者:ミキ 2008/05/01 23:00
 題名:Re6:無題
 なかった。それで、未来ブログってこういう風に書いてよかったの?

 送信者:カコ 2008/05/01 23:01
 題名:Re7:無題
 いいんじゃないの? あたしはミキの未来ブログって書くと思った。

 送信者:ミキ 2008/05/01 23:03
 題名:Re8:無題
 書いたらバレるって、こういうのは匿名で書かないと(笑)

 送信者:カコ 2008/05/01 23:06
 題名:Re9:無題
 バレたやばいもんね、バレたら(笑)

 送信者:ミキ 2008/05/01 23:07
 題名:Re10:無題
 それで、ホントに学校来ないの。

 送信者:カコ 2008/05/01 23:09
 題名:Re11:無題
 うん、明日ゆっくりと自宅でくつろぐ。久しぶりのニート生活、楽しみ

 送信者:ミキ 2008/05/01 23:11
 題名:Re12:無題
 学校来いってば!

 送信者:カコ 2008/05/01 23:13
 題名:Re13:無題
 もう無理、未来ブログに書かれたから!! じゃあ、おやすみ

 
 私はハハっと苦笑いしつつ、カコに「おやすみ」というメールを返信し、横になって寝るのであった。


 私が通っている高校から名前を取ろう。でも、見たヒトがわからないように、ネットスラングさせて、誰が書いたのかわからないように、レイコー、れいこ、玲子、それでいいや。

 名づけて“玲子の未来ブログ”と。

 そんな調子で 玲子の未来ブログ を開設した。カコが休みたいだけだし、そんなに真剣に考えなくてもいいし。どうせ、1日だけ終わるブログだ。

 管理人の名前は、“玲子”、注意書きに、“未来ブログで書かれたことは必ず起こる”と書いておいた。

 ――これ、ホントになるのかな? 

 半ば、そんなことを思いつつ、私はブログを更新することにした。

 タイトルは、『未来ブログ始まりました』、内容は『中原香呼、学校に来ない』と書いた。

 “投稿”時刻は、実際に起こる時間、つまり“登校”時刻、8時40分に。

 つまらないシャレに、ぷっと吹いた。こういうネットスラングさせたシャレは好きだ。くだらないけどね。

 何で休みかわからないから、適当に学校に来ないとしておこう。
 
 色々なことを気を使いつつ、私は未来ブログを更新した。カコとの約束はこれで守れたのだ。

 「ああ、終わった!」と背伸びし、私はお風呂に行くことにした。

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名前:
上村未来(ミキ)
年齢:
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性別:
女性
誕生日:
1991/11/05
職業:
高校二年生
趣味:
ケータイイジリ
ブログの紹介:
 この現実ブログは私が持つ、“未来ブログ”についてまとめたブログ。
 “未来ブログ”は、親友のカコに頼まれて、書くことになった。すると、“未来ブログ”で書いたことが次々と現実で起こるようになってしまった!
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