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現実ブログに書かれていることは既に起きたことである
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 ――五時限目と六時限目の休み時間、ニッシーはクラスメイトらにチヤホヤされていた。私もその会話に入りたかったけど、男だらけだったから、あまり入り込めなかった。
 けれど、これだけ盛り上がっているのは文化祭以来、久しぶりだ。学校という妙に偏屈で、楽しみのない場所で、未来ブログというバラエティができたから、みんなそれに楽しんでいるのだろう。
 そう思うと、カコと私はこの退屈を打ち破るエンタメなのだ。カラカラな心を潤う刺激がこのクラスにできたのだ。

 六時限目が終わり、放課後を迎えた。クラスメイトらが下校する中、私は一人ポツンと席に座っていたニッシーに話しかけてみた。
「何、見てた?」
 ニッシーがケータイを見ていたのは知っていたが、わざとそう言った。私は自分の口から未来ブログを見ていたと言わせたかったのだ。
「……なあ、ミキ」
 ケータイを机の中に隠して、私の方を見るニッシー。
「なーに?」
 私はそんな彼の目と合わす。その目は笑ってなどいなかった。
「お前か? 玲子って?」
「え?」
 ――どうして、私が未来ブログの管理人だとわかったの? いや、疑われるわけがない。カコが告げ口するか、ブログサイトに問い詰めない限り、私だという証拠は何処にもないのだ。
 だとしたら、なんで疑っているのか? その理由について尋ねてみた。
「ねえ、どうして、私なの?」
「ずっと、待っていたんだ。放課後、一番先に、話しかけてきたヤツが玲子だと」
「だからなんで?」
「玲子は未来ブログに書かれた奴の反応を面白がってやったんだ!」
「だから、放課後話しかけてきたコが玲子だと?」
「それ以外、何が言える?」
 私は言い返さなかった。たとえ、ニッシーの妄言だとわかっていても、それを否定することはできなかった。――反応を面白がって見たわけではないが、様子見をしたかったのは確かだったからだ。
「このタイミングとか考えたらお前しかいない!! どういうことなんだよ!! 俺に何か恨みでもあるのか?」
「ない……」
「ええ、はっきりいえよ!! お前なんだろう!」
「私は違っ!」
「証拠を見せろよ!!」
 机から立ち上がった私は部屋の隅へと追い込まれていく。教室には何人か女子がいたが、ニッシーの怒号に驚いて、教室から出て行った。廊下でキョロキョロと覗いているのがなんか腹が立った。
「どこ見てる!?」
 視線が戻さないと怒られると思い、ニッシーと目を合わす。血走った目が彼の怒りの様を物語るようで、その視線から逃げるように、視線を下にした。
 ――大声を出したい、でも出したら出したで問題になる。問題になるってことは、私が未来ブログを書いていることがバレてしまう。……何もできない
 何もしないことにニッシーの怒りも頂点に達する。
「いい加減にしないと本気で……」
 ニッシーが何かを言いかけ、そのまま、黙った。何が起こったのか? 私はおそろおそろ視線を上げた。すると、そこにはニッシーの肩を叩く栗林君の姿があった。

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 プロフ
名前:
上村未来(ミキ)
年齢:
32
性別:
女性
誕生日:
1991/11/05
職業:
高校二年生
趣味:
ケータイイジリ
ブログの紹介:
 この現実ブログは私が持つ、“未来ブログ”についてまとめたブログ。
 “未来ブログ”は、親友のカコに頼まれて、書くことになった。すると、“未来ブログ”で書いたことが次々と現実で起こるようになってしまった!
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